アンチエイジングの敵「恐れ」

アンチエイジングの敵「恐れ」

40代、50代の更年期と呼ばれる世代にとって、永遠のテーマ。
「アンチエイジング」
老化を防止すること。
いろいろな方法がネットでも紹介されています。
ここでは、中医学の観点からアンチエイジングについてご説明します。

① 感情と臓器の関係
② 腎臓とエイジングの関係
③ 腎を制するものは老化を制する
④ 恐れの感情は老化を早める
⑤ 更年期世代のストレスマネージメントのススメ

1 感情と臓器の関係
中医学では、五行学説という中国古来の哲学が基本になっています。

五行学説とは
世の中全てのものを5つの有機体に分けるという考え。
5つの有機体とは「木・火・土・金・水」

私たちの身体の臓器も5つに分かれます。
五臓六腑というのは、この五行からきている言葉です。
五臓とは「肝・心・脾・肺・腎」です。
そして、感情も5つに分かれます。
「怒り・喜び・憂い・悲しみ・恐れ」
このようにカテゴリー分けをされます。
つまり、「木」のチームの臓器は肝臓で、感情は怒りです。
この二つには関係性があります。
強い怒りの感情は肝臓を弱らせます。
お酒をのまないのに、肝数値が高い方がおりますが、よくよく話を聞いてみると、許せない人がいて、怒っていたということがあります。
このように、臓器と感情は深い関係にあります。
2 腎臓とエイジングの関係
中医学における腎臓とは、成長、発育、生殖機能に関わるとされています。
生まれつき腎臓が弱い人は、成長や発育が遅かったり、初潮が始まるのが遅かったり、妊娠しにくい身体であったりします。
人は生まれてからずっと老化していくものです。
この老化とは、腎臓に蓄えられている「精」が減っていく現象であると中医学では考えます。

精とは
人体を構成する最小物質のこと。
父母から受け継いだ「先天の精」と飲食物から摂る「後天の精」の二種類がある。
精力の精と考えてもらえばわかりやすい。

腎が弱る=精が減る=老化です。

3 腎を制するものは老化を制する
腎に蓄えられている「精」を保つことにより、腎の力が保てます。
腎臓の力が保てるということは、若さを保てるということにつながるので、腎を大事にすることが必要です。
お年寄りには必ず補腎することが必要なのは、このようなことが理由です。

補腎とは
腎を補うこと。
弱った腎臓の力を外から補うことにより腎臓を元気にさせる。
漢方薬にも補腎薬は沢山あります。

4.恐れの感情は老化を早める
腎臓は「水」のチームです。
水のチームの感情は「恐れ」です。
強い不安感は腎臓を弱らせます。
腎臓の弱り=精が減る=老化
ですから、不安感を持てば持つほど老化が進むということになります。

私は25歳の頃、父親を末期がんで亡くしました。
当時、父親が闘病していた時に、不安が強すぎて、腎臓が弱り、白髪がまとまって束になって生えてきました。
まだ25歳です。
「水」のチームに髪も入ります。
強い恐れ⇒腎臓を弱らせる⇒髪の毛が老化する⇒白髪になる
ということなのだと思います。

恐れの感情は老化を早めます。

5 更年期世代のストレスマネジメントのすすめ
アンチエイジングがテーマの更年期世代にとって、「不安感」はとてもやっかいな感情です。
さほど強くなければ問題がありませんが、強い不安感は老化を進めてしまいます。
「不安感」は未来に対して持つものです。
将来に対してプレッシャーを感じることにより、不安感が湧き出てきます。
プレッシャーはストレスです。
ストレスと上手に付き合うことが、不安感を和らげることになります。
それにはご自分でストレスをコントロールできるようになる必要があります。
つまり、ストレスマネジメントです。
ご自分なりのストレスの逃し方や、感じ方を緩和する方法を見つけてみてはいかがでしょうか。