五情を使って感情をコントロールする

五情を使って感情をコントロールする

五情とは「怒り」「喜び」「憂い・想い」「悲しみ」「恐れ・驚き」です。
この5つの感情は五行という5つのグループ分けをされて、お互いがそれぞれに影響し合う関係です。
生み出す親子関係と、力を奪い取る関係があります。
生み出す関係を「相生の関係」
力を奪い取る関係を「相克の関係」
と言います。
私たちの感情もこの生み出す関係や、やっつける関係によって、感情が変わることがあります。
中国最古の医学書「黄帝内経」では、この感情の関係性を使って、治療した記録が残っています。
つまり、感情を上手くコントロールすることにより、冷静な自分を取り戻したり、身体の調子を良くしたりできるということになります。

① 怒りで思い悩みを解消する
② 怒りと思い悩みは相克の関係
③ 悲しみと怒りは相克の関係
④ 喜びと悲しみは相克の関係
⑤ 想いと不安は相克の関係

1 怒りで思い悩みを解消する
中国最古の医学書「黄帝内経」によると、ある商人の夫を持つ女性が、旦那さんが20年家を留守にしていることに思い悩み、食欲もなく、身体が衰弱していき、沢山の薬を飲んでもまったく聞かなかったので、父親が医者に相談したところ、「娘を怒らせる。」これをやりなさいと言われ、父親はわざと娘を怒らせるようなふるまいをしたところ、娘は物凄く腹を立てて怒った。
その後、医者が食欲の増える薬を処方し、父親に「近いうちに亭主が帰るという連絡があった。」と伝えるようにと言い、父親は薬を飲ませ、その通りに伝えたところ、女性の食欲がどんどん回復すると同時に、具合も良くなっていったという話があります。

2 怒りと思い悩みは相克の関係
怒りは五行では「木」です。
思い悩みは「土」。
木は土の栄養素を吸い取って土のパワーを奪います。
これが相克の関係です。
克するとは、やっつけるとか、奪うという意味です。
怒りは思い悩んだり、くよくよしたりする力を奪い取り、その感情を弱くするのです。
怒りのパワーでくよくよしていることが吹き飛ぶイメージです。
怒りはパワーがいります。
「気」を持ち上げなければなりません。
くよくよ思い悩むのは、「気」が下がっている状態です。
怒ることによって、気を上げるのです。
そうすると、気が下がるという状態から脱却できるということになります。
あまりにもくよくよして、落ち込んで、引きこもり状態になっているようであれば、わざとむかつくことを思い出して、怒ってみて下さい。
内側からエネルギーが湧いてきて、くよくよ落ち込むことが吹き飛びます。

3 悲しみと怒りは相克の関係
我慢している、許せないことを抱えている。
これは怒りです。
我慢していることや許せないことがあるのが怒りという感情を生み出します。
静かなる怒りは我慢の限界を超えると必ず身体に症状として現れます。
怒りの感情は悲しみで抑えることができます。
怒りは五行でいうと「木」です。
悲しみは五行でいうと「金」です。
金は木を克する(こくする)関係です。
金の悲しみのパワーは木の怒りのパワーを抑えます。
いつも我慢して、上手に怒ることができない人は、悲しいことを思い出して、思い切り泣くと怒りが発散されます。
悲しい映画を観たり、悲しい思い出を思い出したりして、思い切り涙を流しましょう。
わんわん声に出して泣くのがベストです。
そうすると、怒りの感情がすーっと抜けていきます。

4 喜びと悲しみは相克の関係
悲しみにくれていて、内側から出てこれない人は、楽しいことや喜ばしいことを少しずつ増やしていきましょう。
喜びは「火」です。
悲しみは「金」です。
火は金のパワーを奪い取ります。
喜びは悲しみの力を抑えます。
楽しい気分になれないかもしれませんが、少しずつ身の回りのことから嬉しいことを増やしていって下さい。
何かその時に食べたいものを食べるとか、あたたかい美味しい飲み物をゆっくり飲むとか、好きな音楽を聴くとか、好きな映画を見るとか、窓を開けて深呼吸するとか、何か自分にとって心地よいことをして、嬉しい気持ちを少しずつ増やしていきましょう。
その積み重ねがだんだんと悲しみを抑えてくれます。

5 想いと不安は相克の関係
想いは「土」不安は「水」です。
土が水のパワーを抑えます。
不安感が強い人は冷静に色々と考えを巡らせましょう。
冷静にというところがポイントです。
不安だ、不安だと、ただ不安についてぐるぐると思い巡らせていてもダメです。
何故不安なのか。
不安の要因は何なのか。
その要因を解決するにはどうしたら良いのか。
解決する為にはどんなことが必要なのか。
そんなことを思い切り考えてみて下さい。
冷静にいろいろと考えていくうちに、「あれ?大丈夫じゃん!」となります。
不安とは、未来の事がわからないから起こる感情です。
つまり、出口の見えないトンネルの中を歩いていて、怖いのです。
ということは、出口を探せばよい訳で、出口を探すにはどうすればよいかを考えていくうちに、出口わかるかも~!となるわけです。
出口が見えてきたら、怖くないですよね。
そうすると、いつのまにか不安感がなくなってきますよ。

5 五情はバランス良く
五情は偏ることで、不調を引き起こします。
中医学では「中庸」が一番です。
怒りすぎも、怒らなさ過ぎもダメなのです。
喜びすぎも、喜ばなさすぎもダメです。
ほどよい悲しみは時には大事です。
思い悩むことも時には必要です。
不安を感じるから、人は前を向いて歩けます。
日常生活においては、「怒り・喜び・憂い・悲しみ・不安」すべてをバランスよく感じ、出していけることが、健康な心を作ります。
それが健康な身体へとつながっていきます。

喜怒哀楽
これが豊かであることが、豊かな人生といえるのではないでしょうか。
私はそう思います。