気圧の変化で体調不良になる「気象病」

気圧の変化で体調不良になる「気象病」

気圧の変化で体調不良になる「気象病」
春から夏、秋から冬の季節の変わり目は、気圧の変化が激しく、天候も日々かわりやすいですよね。
そんな季節の変わり目に必ず体調不良を訴える方がいらっしゃいます。
体調不良を訴える多くの方は、気圧の変化を感じると言います。
気圧の変化で体調不良になることを「気象病」というそうです。
気圧の変化で調子が悪くなるのはなぜでしょう?

① 人間の身体は常に自然界の影響を受けている
② 自然界の影響の処理の仕方が人によって違う
③ 気圧の変化で体調不良になるのはなぜか
④ なぜ気の圧力の変化に対応できないのか
⑤ 腎と肝の不調とは
⑥ 腎と肝のバランスを整えるには

1 人間の身体は常に自然界の影響を受けている
中医学の基本的考えに「天人合一説」(てんじんごういつせつ)というものがあります。
これは、人と自然は同じであるという考えです。
自然界で起こることは人の身体でも起こることということです。
つまり、自然界での変化を人の身体は常に感じ取っているということです。

2 自然界の影響の処理の仕方が人によって違う。
人は、自然界の変化を体で感じ取ります。
その感じ取ったものをどう処理するかで、自然界の影響がその人の身体にとって悪影響になるかならないかの違いが出ます。
それは、人それぞれ身体が違うからです。
100人いたら、身体も100通りです。
あなたの身体とあの人の身体は違います。
同じ場所で、同じ変化を身体が受け取りますが、その後の身体の変化は人それぞれ違うのです。
つまり、天候が変わると体調が変わる人と、まったく変わらない人がいるのです。

3 気圧の変化で体調不良になるのはなぜか
では、なぜ自然界の変化が不調となってあらわれるのでしょうか?
それは、身体の土台のバランスが悪いからです。
特に、気圧の変化を感じやすく、その影響が不調となって身体に出る方は、身体の土台の部分が弱いと言えます。
建物でいうと、基礎の部分が弱くて、風が吹いたり、強い雨が降ると、その上に乗っている建物自体がすぐぐらぐらしたり、崩れたりする状態と同じだということです。

特に、気圧とは「気」の圧力ですので、気の圧力に負けてしまうということになります。
自然界の気の圧力の高い、低いという変化に対応ができないということです。

4 なぜ気の圧力の変化に対応できないのか
それは、「気」そのものが足りない状態。
つまり生命エネルギーが不足しているか、「気」が停滞していて巡っていない状態であるかが考えられます。

なぜかというと、気圧の変化での不調の主な症状は
頭痛、片頭痛
めまいやふらつき
吐き気
むくみ
咳き込み、喘息悪化
だるい、倦怠感
イライラ、焦燥感、不安感
腰痛や肩こり、首の痛み
関節痛や神経痛
じんましん

などが挙げられます。
この症状から考えると、五臓でいうところの「腎と肝」の不調と言えるからです。

5 腎と肝の不調とは
腎には気の種類の一つである、「元気」が蓄えられています。
元気が足りないと、身体の土台が弱くなります。
そうすると、変化に対応できない状態になります。
それから、気圧は「耳」が受け取ると言われています。
腎の弱りは「耳」に出ます。
腎に蓄えられている元気が足りないことにより、「耳」の不調につながるということです。
そうすると、気圧の変化を耳が上手にキャッチできなくて、めまいやふらつき吐き気などの症状を引き起こしてしまうと考えられます。

肝には気を巡らせる作用があります。
それを「肝の疏泄作用」といいます。
肝が弱るということは、気を巡らせることができなくなります。
そうすると、西洋医学でいうところの「自律神経の乱れ」につながります。
気圧の変化での体調不良の主な要因は自律神経の乱れと言われています。
つまり、中医学でいうところの肝の弱りによる気の停滞が自律神経の働きを阻害しているのと同じ状態であるということになります。
気が停滞することを「気滞」(きたい)と言います。
「気滞」の状態になると、頭痛やイライラ、肩のこり、背中のはりなどの症状があらわれます。
そして、水分代謝が悪くなるので、むくみにもなります。

このように、気象病の症状を考えると、腎と肝の弱りが要因であると考えられるのです。

6 腎と肝のバランスを整えるには
食事
睡眠
運動
ストレス
などの生活習慣を整えることです。
自分にとって何が足りないのか、何が要因になっているのかを見直してみて、足りないものを補う生活習慣に変えていくことが、気象病予防につながります。
ひとそれぞれ要因が違いますので、ご自身で日頃の生活をチェックしてみて下さい。

何が要因かご自身ではわからないという方は、ぜひご相談下さい。